大阪夕陽丘学園高等学校は、創設者・里見純吉先生が掲げた「愛と真実」を建学の精神として、人間教育を第一に据えた学校です。この理念に込められた意味は深く、「愛」とは他者を思いやる心、「真実」とは自分自身に正直に、誠実に生きることを意味しています。そしてこの精神に基づき、「知識や技能よりも、まず良き人間をめざすべきだ」という考え方が、教育活動の根幹となっています。
現在、社会はめまぐるしく変化しています。AIによる自動化、グローバル化の進展、少子化にともなう社会構造の変容など、かつてない多くの課題が同時に進行しています。こうした不確実な時代において最も大切なのは、単に"使えるスキル"を身につけることではなく、自分の価値観を持ち、他者と共に歩む姿勢を備えた"人間力"を育むことだと考えています。
本校の教育は、学力向上と人間性の両立を目指し、知識の習得だけでなく、日々の授業や行事・課外活動などの機会を通じて、多様な価値観に触れ、試行錯誤しながら自己を形成していくプロセスを重視しています。
「良き人間」とは、自分の言葉と行動に責任を持ち、そして他者を尊重し、共に歩もうとする姿勢を持つ人だと考えています。これは社会のどの場面においても必要とされる力です。
本校での3年間は、生徒一人ひとりが自分自身と向き合い、自らの可能性を信じて一歩を踏み出す貴重な時間です。生徒たちがのびのびと成長し、「未来を生きる力」を着実に身につけていくこと、本校を巣立つ生徒が「良き人間」として誇りを持って社会に羽ばたいてくれることを、心から願っています。
校長 日野田 直彦
